
どうもっ!ものグラムです。
今回は京都の祇園エリアから、歴史ある町家の風情を堪能しながら他では頂けない一杯を味わえる、「らーめん錦(にしき)」をご紹介させて頂きたいと思います。
実は今では全国的に有名になった神奈川・東京のラーメン店、「AFURI」出身の店主が2018年8月にオープンさせた店舗なんです。
しかし、そのキャリアを活かしながらも全く違うベースである「鯛」を用いたバリエーション豊かな「らーめん」を提供している?のは楽しみですよね。
では!そんな「らーめん錦」店主が作り出す空間と一杯ってどんなの?ご一緒に見て参りましょう。宜しくお願い致します。
Contents
「らーめん錦(にしき)」へ到着
「らーめん錦(にしき)」店舗外観
到着は2020年8月12日、11:09。今回宿泊させて頂いたホテルは河原町で、10:50にチェックアウトし鴨川を渡り徒歩約20分の道のりでした。
今回はお盆の時期でもあり、若干人出は増えていた様にも感じましたが、本来の賑やかさにはまだまだ程遠いのかもしれません。
しかしこの店舗近くの有名な観光スポット、「巽橋(たつみばし)」には一眼レフカメラを手に撮影されている方もいらっしゃいました。
その「巽橋」からさらに東へと進みますが、京都市の伝統的建造物群保存地区であるこの一帯に店舗を構えていたのがこの「らーめん錦(にしき)」。
町家を店舗へリノベーションしていますが、黒に統一されたモダンな佇まいに思わず期待と緊張が高まりました。
オープンは11時で、まだ静かな店舗前には待ちの列も出来ていない為、若干緊張の面持ちで引き戸をがらがらと開けインしました。
「あ、先客さんはいらっしゃったんやなあ」
2人連れの先客の次、2番手3席目で着席させて頂きましたが、店内は座高低めのイスでゆったりくつろげる、ソーシャルディスタンスもしっかり取られているものでしたが、席数6席のみ。
入って直ぐは吹き抜けで2階の「製麺室」を下からうかがう事が出来、右手には2階に上がる漆黒の階段、カウンター後ろには荷物が置ける様にゆったりとした空間を感じる事が出来ました。
店内に入り直ぐ、カウンター一番手前に着席。その目の前には葉と枝の絶妙なバランスの生け花の存在が大きい。
この日は店主一人、ワンオペにて営業されており、実はこの後4名のグループが来客されましたが、席が1つ足りない為、外にて待って頂く様お願いされていました。オープンから直ぐに満席状態です。
「らーめん錦」について
今回訪問させて頂いた「らーめん錦」のオープンは2018年8月22日。
店主は熊沢武士氏で、1978年生まれの埼玉県出身。2005年に「AFRI」に入社し、「AFURI」の前進である「ZUND-BAR(ズンド バー)」の2号店として2003年にオープンした「AFURI恵比寿」の総料理長を務め、さらには店舗拡張の為「ZUND-BAR」に併設されたセントラルキッチンの責任者としてメニュー開発等に従事。
10年以上の修行期間を経て自らの店舗を京都の祇園の地にてオープンさせました。
屋号である「らーめん錦」の錦は、公式HPでは「`錦`とは`美しく立派なさま`を意味する言葉」とあり、「日本のこころの根付いた美意識、凛とした佇まい。飾らないありのままの美味しさを追求する信念を錦に託しております」とあります。(参考:らーめん錦公式HP(https://www.ramen-nishiki.com)より)
しかし実は、現AFURI代表の中村比呂人氏の母親の名前から冠され、どんぶりに書かれている「錦」の文字はその母親の直筆だそうです。(ラーメン評論家・ラーメンデータベース代表:大崎裕史氏による)
そんなAFURI代表の中村氏からも絶大なる信頼を得た熊沢店主が自ら店舗を構え提供する味わいはなんと「鯛ベース」。他ではなかなか頂けない独自のメニュー開発も非常に楽しみです。
次はそのメニューを楽しみに見て参りましょう。
「らーめん錦」メニューについて
「らーめん錦」 メニューその1。 メニューのデザインも凝りに凝った世界観がありゆっくり眺めたいと思わせる。
まずメニュー、お品書きも凝りに凝ったビジュアルに惹きつけられますが、通常のらーめんのフルトッピングで別皿にて提供されるのが「錦」。「錦御膳」、「塩錦」、「ざる錦」のラインナップ。
さすが京の都らしい洗練されたラインナップですが、実はこの「鯛ベース」の他の味わいは次へ。
「らーめん錦」 メニューその2。 らーめんのバリエーションが豊かでオーダーを迷う喜びを与える。
一般的なラーメン店の「特製」のランクに値する「錦」(フルトッピング)とは別に、もちろんらーめんの単品がありますが、その独自なラインナップにも驚かされました。
鯛の美味しさを存分に味わえる基本は「塩らーめん」、そして膨よかな香りとの調和を愉しめる「醤油らーめん」、白醤油に柚子の香り際立つ「柚子らーめん」。
ここからは他ではなかなか頂けない、鯛を白湯に仕上げた「鯛白湯らーめん」、京都、祇園らしい他では絶対に頂けないだろうオリジナルが「柚子抹茶らーめん」。
実はその他、サイドメニューの一品料理もかなりこだわりがあり、それらも頂きたい想いでしたが、今回は断念(そして割愛させて頂いています→次回実食時にお伝え出来ればと思っている為です)。
今回はまず基本である「塩らーめん」を頂きたいとオーダーさせて頂きました。塩は素材本来の旨味を引き出す為誤魔化しは一切利かない超ハイレベルな一品でもあります。
個人的にはまず醤油と言ってしまいそうですが(個人的好みの為笑)、今回は素直に鯛の美味しさを堪能させて頂きたい(そんなつもりでは....無い笑)と即オーダー。そしていよいよ目の前に配される事となりました。
らーめん錦の「塩らーめん」着丼
らーめん錦「塩らーめん」
ビジュアル的にも非常に上品な盛付けですが、黄金色に澄み輝くスープに綺麗な麺線、鯛の炙られた切身、鶏のレアチャーシューが配された仕上がりは見事。ねぎでは無く紅蓼(べにたで)が使用されているのも他ではなかなか見る事が出来ません。
非常にシンプルですが、その奥に秘めたスープの厚み、深さをこの段階から勝手ながら想像し、いよいよ実食となりました。
らーめん錦「塩らーめん」スープについて
シンプルで非常に綺麗な盛付けですが、スープは細やかな脂がキラキラと輝く澄んだ清湯(ちんたん)の鯛だしスープ。黄金の色合いの澄んだだしはすっきりとした美味しさをうかがわせますが、頂くまではまだわかりません。
レンゲにて掬うとその透明度の高さをよりご確認頂けると思いますが。
「うわっ!厚い!」
それが今回のファーストインプレッション、第一印象でした。
口当たりは非常に優しく自然に入りますが、丁寧に下処理され抽出された旨味は体験しなければわからない美味しさ。化学調味料不使用のカド、尖った刺激が皆無の優しさが包み込む自然なあま味旨味が一口、さらにもう一口と進めさせました。
そしてほんのりと鯛の香りも感じる事が出来、すっきりしながらも非常に分厚い旨味が動物系だしを使用せずここまで出せるのか?と驚きでもありました。
当初は鯛の中骨だけを使用していたそうですが、より旨味を出す為兜(頭部)も使用、それら30kgを低温にて約6時間掛け抽出されたものだそうで、時間を惜しみなく掛け作られたスープが一瞬にしてどんぶりから減って行く、まさに黄金の時間を過ごせた喜びを一瞬の中に感じる事が出来ました。
らーめん錦「麺について」
麺は北海道のオーツ麦と全粒粉を使用した、スープと絡む様独自の配合で作られた自家製麺。中細のストレートですが非常に綺麗な仕上がりです。
もっちりと弾力はありながらも歯切れが良い、加水率はそれほど高く無いライトな仕様でしたが、風味がしっかり感じられ美味しく、スープ、麺の一体感も素晴らしいものでした。
トッピングの鯛の切身、鶏胸肉のレアチャーシュー共、それらパーツの風味、味わいをそれぞれ堪能しながら食べ進められる事が出来たのも全体のバランスの妙、麺の存在も非常に大きく感じしっかり最後まで頂く事が出来ました。
最後に
今回は「塩らーめん」を頂き、その美味しさを堪能する事が出来ましたが、基本の塩を頂いた後は他の味わいも頂きたいと思いましたが、今回はここまで。
想像以上に洗練された味わいにも関わらずしっかりとした主張ある力強さも感じる事が出来た「鯛」の美味しさはなかなか頂けないだろう、熊沢店主の今まで培って来たものが抽出された、渾身の一杯の様に感じられました。
気になられた方は是非、一度頂いてみては如何でしょうか、自信を持ってお勧め出来る店舗であり一杯でした。