
どうもっ!ものグラムです。
今回は大阪の西中島エリアからの注目の新店、「㐂蕎麦司 きし元(きぃそばきしもと)」の「出し蕎麦」をご紹介させて頂きたいと思います。
2019年11月12日にオープンしたばかりの新店ですが、店主岸本亮介氏の出身は大阪本町エリアの超人気店である「中華蕎麦 葛」。葛の藤原店主はフランス料理のコックを15年間務めた後、麵屋彩々、そして全国的にも有名な和海でラーメン作りを学び開業した店舗。
葛のDNAが継承されているだろう「㐂蕎麦司 きし元」はどんな味わいの麺を提供しているのか?あの丼もあるのか?あのコスパは?それらをしっかり見て参りましょう!宜しくお願い致します。
Contents
「㐂蕎麦司 きし元」に到着
「㐂蕎麦司 きし元(きぃそばきしもと)」店舗外観
訪問は2020年1月6日、11:26。オープンの11時に合わせたつもりでしたが、途中思わぬアクシデントがあり(はらいたやろ、あ、ばらしてもうた笑)、行列が出来ていないか不安になりながらの到着でした。
実は2020年初のラーメン実食第1号が今回の「㐂蕎麦司 きし元」。(厳密には元旦に初麺を頂いたのは焼きそばでした笑→気になる方はコチラ)
あの「中華蕎麦 葛(かずら)」の衝撃の一杯が忘れられず(未だ記事化には至らず、すみません笑)、その店舗出身と聞き堪らない思いで到着しました。
しかしこの日は年明けの仕事始めの日でもあり、店舗外には並びは無く、周りも比較的静かでした。
大阪メトロの御堂筋線で梅田(大阪)から2駅にあるのが西中島南方(にしなかじまみなみかた)駅で、そこから徒歩約5分程度西に進むとあります。
パッと見た目ではラーメン店とは思えない和モダンな外観で、情報を知らず店内へなかなか入りにくいかもしれませんが、ラーメン店で気軽に入れるとお伝えしておきます。では、早速インさせて頂きましょう。
「㐂蕎麦司 きし元」店内へ、そしてメニューについて
「いらっしゃいませ〜!」
明るい声で迎え入れてくれたのは店主と奥様でしょう女将さん。(表現としては古い、かもしれない笑)
店内も明るく非常にシンプルモダンで、入って直ぐにテーブル席、そして奥には2名テーブルにカウンターの配置となっています。この写真左のカウンターに対面する形でキッチンがありましたが、そちらもシンプルで飾り気は一切無いのが印象深かったです。
入って直ぐ右手に券売機があり、まず食券を購入した後に席に着きます。では、そのメニューとはコチラ。
「中華蕎麦 葛」に行った事がある方には一目瞭然のあの券売機。券売機ボタンの色合いと文字の雰囲気はそのままなのには驚きました。
やはりメインである看板メニューは「出し蕎麦」で、葛そのままのネーミング。鶏の白湯(パイタン:乳化させた白いスープ)に本枯れ節の魚介の美味しさへの期待は非常に高まります。
しかし、醸し(かもし)蕎麦はこの店舗オリジナルでしょう、水と鶏とお味噌のラーメン。しかも券売機ボタンにはComing soonと書かれ、よろしければ声かけて下さいとあります。
実はこの醸し蕎麦については現在改良中との事で、一応販売は可能な状態でしたが、店主自身がまだ納得が行かずの状態だったそうです。しかしオープン以後この「醸し蕎麦」が美味しかったとの声が多く見られ、個人的にも気になりましたが、今回は大人しく改良、ブラッシュアップされた美味しさをまた頂きたいと思いました。
あと、黄色いボタンも葛と全く同じ配列でやはり頂きたい、それが『きし元』流ローストポーク丼。コチラも葛のDNAを継承しているのが明らかなサイドメニューです。(ちなみに一般的には味玉ローポー丼(ハーフサイズ)が量的にもオススメです)
今回のオーダーは迷う事無く「出し蕎麦」そしてハーフサイズのローストポーク丼、「味玉ローポー丼」をチョイス、食券を女将さんに手渡すと、
「はい!ありがとうございますっ!お好きな席へどうぞ!」
と、カウンターから詰めて行くスタイルでは無く、テーブル席にも着く事が出来るのは意外でしたが、後の来客者の事も考え(一応迷惑にならない様には気を付けています笑)、カウンターにて着丼を楽しみに待ちました。
しかし意外と早く即、出し蕎麦とローポー丼が同時に着丼。慌てながら心落ち着かせ(笑)、いよいよ実食となりました。
㐂蕎麦司 きし元「出し蕎麦」着丼
㐂蕎麦司 きし元「出し蕎麦」
この仕上がりこそ葛譲りの泡系の鶏白湯、「出し蕎麦」(650円(税込))。今のご時世、大阪の都市部ではあり得ない価格もその美味しさにさらに拍車が掛かるサービス精神だった葛ですが、やはりこの「㐂蕎麦司 きし元」の価格もそれを継承しています。
見た目はシンプルですが、非常に凝った作りの葛のDNAを継承する一杯、頂く前からコスパ最強と疑い止みません。
では!いよいよ実食へと参ります。
㐂蕎麦司 きし元「出し蕎麦」スープについて
今の近畿圏のラーメンシーンでは珍しくは無い泡系のスープですが、ここまで泡立てられたスープは実はそうありません。
ハンドブレンダーにて泡立てられますが、それにもしっかりした理由があります。それは醤油のかえしにスープを注ぐスタイルで仕上げると、スープの濃度の関係で均一に混ざらないそう。それ故に仕上げに片手鍋にてかえしである醤油たれとスープを一緒にする際に一気に攪拌させ仕上げるそうです。
それだけでは無く、本来ならばスープに浮かぶ筈の油分を攪拌する事によって乳化させるのもポイント。そうする事によって口当たりが格段に柔らかくなり、油分のしつこさも感じにくくなるそうで、このポイントには正直驚かされました。
そしていよいよレンゲで掬い一枚。泡の層が非常に厚く、まだ本来のスープの色合いを見る事が出来ない程。
若干緊張しながら(笑)の一口。
「嗚呼、やっぱり葛DNAが色濃く美味い!」
理屈抜きにただただ美味しいと思える仕上がりでしたが、その中身を簡単に紐解きますと、まず感じられる本枯れ節、かつおの繊細な存在感が非常に大きい事。
非常にクリーミーに仕上がった鶏白湯に通常はそのかつおの存在を忘れさせ、打ち消されそうながらしっかりした存在感があるのが何よりも素晴らしく、自然にほのかに感じられるバランスは最強。
しかも、鶏白湯に関しても、他ではほぼ頂けないだろう、敢えて鶏の風味を消したかの様な洋のクリームスープを思わせる仕上がりが何よりも美味しく、前途の様にハンドブレンダーでの攪拌、油分の乳化等、キメの細かい繊細な泡のまろやかさ、マイルド感、さらっとしているにも関わらずトロッと濃度を感じさせる仕上がりはやはり、と感じさせました。
醤油由来の酸味が尚さっぱりした印象を与えた、洋でもあり和でもあるこの仕上がりはやはり唯一無二と言って過言では無いでしょう、やはり唸る美味しさがありました。
そして忘れていましたが(すみません)、刻み玉ねぎがスープを掬うと適度に入って来、その食感が与えるアクセントも葛DNAのひとつと認識させて頂きました。
㐂蕎麦司 きし元「出し蕎麦」麺について
ストレートの麺線が非常に綺麗な仕上がりですが、しっかりした食感がありそうで期待感が高まります。
京都の麺屋棣鄂(ていがく)の麺を使用されている様です(葛も麺屋棣鄂製麺を使用)。
かなりしっかりしたコシのある麺がスープをしっかり絡め取り入って来ます。一瞬パスタを頂いている様な感覚にも陥りそうですが、粘度もしっかりあるもっちり感とスープの一体感は素晴らしく美味しかったです。決して軽く無くそれなりにお腹も満たされました。
最後は「味玉ローポー丼(ハーフサイズ)」を
他ではなかなか頂けないだろうオススメのサイドメニューがこの『きし元』流ローストポーク丼(380円(税込))。葛の藤原店主が神戸のローストビーフ丼からインスパイアされ作られた一品ですが、このきし元でも頂けるのも継承でしょう。
赤ワイン、ヨーグルト、ほうれん草で作られた3種類のソースこそが特徴で、トッピングとして添えられているゴボウの存在感も大きいです。
甘味がしっかりした美味しさですが、余韻にはビター感も感じられ、そしてマイルドな丸みもある、なんとも説明が難しい独自の美味しさが広がります。
やはり価格を考えると通常ではあり得ないものであり、ラーメンと共に是非頂いて欲しい一品だと思わせました。
最後に
オープンしてまだ2ヶ月足らずの新店ですが、貫禄さえ感じさせる「㐂蕎麦司 きし元」。
今後さらに注目されるでしょうこの店舗、気になられた方は是非、他ではなかなか頂けない味わいを頂かれてみては如何でしょうか。
今後のブラッシュアップ、そして限定麺の動向も気になります。